【もくじ】
- 屋内にいるとき
- 乗り物に乗っているとき
- 屋外にいるとき
- 身の安全の確保
- 避難の判断
- 避難するとき
- 帰宅困難者
- 救出・救護
- マグニチュード
- 震度
1.地震の発生
日本は地震の多い国です。地震は突然やってきます。
地震が起きたら慌てずに、冷静に命を守る行動を取りましょう。
具体的に取るべき行動は、自分のいる場所や周囲の状況によって異なります。
1. 屋内にいるとき
■ 自宅
- 机の下などに避難して頭部を保護しましょう。
地震が発生すると、家具が倒れたり、食器などのモノが落下したりする恐れがあります。
これらから身を守るためにも、頭部を保護しながら家具から離れ、丈夫な机の下などに避難しましょう。
- 火元の側にいる場合は、火を消しましょう。
料理中の場合は、火を消してコンロの側から離れましょう。
ただし、火元から離れている時は無理に火を消しに行かないようにしましょう。調理器具が落ちたり、やけどをしたりするので危険です。
✔ 普段から火を使っている間は火元から離れないようにしましょう。
その他にも暖房などで火を使っている場合も、その場で火を消せるときは火を消しましょう。
また、暖房器具から離れた場所にいる時は、危険なので無理に火を消しに行かないようにしましょう。
- お風呂場にいる時に揺れを感じたら、鏡やガラスの破片によるけがに注意し、お風呂のふたなどを使って頭部を守りましょう。その後、揺れが収まったら避難します。
- 扉の近くにいる場合は扉を開けて避難路を確保しましょう。
揺れが大きい場合、ドアの立て付けが悪くなり開かなくなることがあります。
扉の近くにいる場合は扉を開き、逃げる道を確保しましょう。
- 暗闇で避難する場合は、割れたガラスや落ちた照明器具の破片でけがをしないように気を付けましょう。
- 慌てて外に飛び出さないようにしましょう。
■ ショッピングモールなど人が大勢いる施設
- 慌てずに、施設の係員や従業員などの指示に従いましょう。
係員や従業員などの指示がない場合は、その場で鞄などを使って頭部を保護しましょう。 - 比較的商品の少ない場所か柱付近に身を寄せましょう。
ショップでは商品が落ちてくる危険があります。
特にガラス製品や瀬戸物には注意して、できるだけ安全な場所に避難しましょう。 - 上から落ちてきそうなものがある場合は、その場から退避しましょう。
つり下がっている照明などの下にいる場合は落下する恐れがあります。より安全な場所に避難しましょう。 - 慌てて出口や階段に殺到しないようにしましょう。
狭い場所に大勢の人が群がると危険です。冷静に行動しましょう。 - エレベーターは使わないようにしましょう。
下の階に逃げる場合、エレベーターが動いていても使わないようにしましょう。
地震発生時にはエレベーターは止まってしまい、中に閉じ込められる危険性があります。
2. 乗り物に乗っているとき
■ エレベーター
- 最寄りの階で停止させて降りましょう。
地震発生時には全ての階のボタンを押し、最初に停止した階で降りるのが原則です。
しかし、停止した階で慌てて降りるのではなく、階の状況を見極めるのも大切です。 - 閉じ込められたら「非常用呼び出しボタン」等で連絡を取りましょう
エレベーターの中にいると、閉じ込められる可能性があります。
慌てずに「非常用呼び出しボタン」などを使って、救助が来るのを待ちましょう。
■ 自動車
- 安全に道路の左側に停止しましょう。
緊急地震速報を聞き、慌てて急ブレーキを掛けたり、急ハンドルを切ったりするのは危険です。
慌てずに、緩やかに速度を落とし、ハザードランプを点灯させて周りの車に注意を促し、道路の左側に停止しましょう。 - 停車したらエンジンを切り、揺れが収まるのを車内で待ちます。
揺れが収まるまでは車外に出ず、ラジオなどで情報を入手しましょう。 - 避難する必要がある場合、車のキーは付けたまま、ロックはしないで窓を閉めます。
- 連絡先を見える所に置き、車検証などの貴重品を持って徒歩で避難します。
- 急ブレーキは事故を引き起こす危険があるので、慌てずに緩やかに速度を落としましょう。
- 車での避難は緊急自動車などの妨げになるので止めましょう。
- 高速道路から徒歩で避難する場合、約1kmごとに設置している非常口から地上に脱出しましょう。
■ 鉄道
- 強い揺れを感知したときの緊急停車に備えましょう。
- 座っている場合は、低い姿勢を取って鞄などで頭部を守りましょう。
- 立っている場合は、つり革や手すりにしっかりとつかまりましょう。
- 停車後は乗務員の指示に従いましょう。
- 新幹線も揺れを検知すると緊急停車するため、前に飛び出さないように座席の間に体を隠しましょう。
- 地下鉄では、停電になっても非常灯が1時間程度は点灯するため、慌てず行動しましょう。
- 高圧電線が線路脇に設置されている地下鉄もあるため、勝手に線路に降りるのは止めましょう。
■ バス
- 強く揺れた場合、危険を回避するために急ブレーキを掛ける場合があるので、注意しましょう。
- 座っている場合は、低い姿勢を取り、鞄などで頭部を守ります。
- 立っている場合は、手すりやつり革をしっかり握って転倒しないようにしましょう。
- 停車後は乗務員の指示に従いましょう。
3. 屋外にいるとき
■ 住宅街
- 落下物や転倒物に気を付けましょう。
強い揺れが起きると、ブロック塀や石垣、屋根瓦、電柱、自動販売機などが倒れる危険があります。
揺れを感じたらこれらからは離れて少しでも安全な場所に避難しましょう。
■ 街中
- 窓ガラスや外壁、看板などの落下物から頭部を守りましょう。
オフィスビルの窓ガラスが割れると、時速40~60kmで広範囲に落下します。
その他にもビルの外壁やタイル、看板などが落ちてくる危険性があります。
鞄などで頭部を保護し、建物からは離れましょう。
■ 地下街
- 慌てずに鞄などで頭部を保護し、揺れが収まるのを待ちましょう。
地下街は火災が発生しなければ比較的安全です。落ち着いて行動しましょう。 - 停電になったら非常照明がつくまでむやみに動かないようにしましょう。
- 一つの非常口に殺到せずに落ち着いて地上に脱出しましょう。
地下街では60mごとに非常口が設置されています。
近くの非常口に人が殺到している場合は、状況を良く見て別の非常口に行くことも考えましょう。
■ 山や川、崖付近
- 山にいるときは、まずは落石から身を守りましょう。
- 崖や急傾斜地などの危険な場所に近づかないようにしましょう。
地震が起きると地盤が緩み、崩れやすくなっている可能性があります。
崖や急傾斜地は危険なので、近づかないようにしましょう。 - 川または川付近にいる場合は、流れに対して直角方向に避難しましょう。
川は流れに沿って上流に避難しても、津波が発生した場合には水が追いかけてきます。
流れに対して直角方向に、素早く避難しましょう。
■ 海岸
- 避難指示や勧告を待つことなく、安全な高台や避難地に移動しましょう。
強い揺れに襲われた場合、海岸沿いで一番恐ろしいのは津波です。
避難指示や勧告を待つことなく、高台を目指しましょう。
近くに高台がない場合は、3階建て以上の建物を目指し、3階より上に避難しましょう。
避難標識がある場合、避難する際の目安になります。 - 第一波の後も、すぐには戻らないようにしましょう。
津波は1度だけでなく、何度かやって来る可能性があります。
特に第一波の後にさらに高い波が来ることもあるため、一旦波が引いたからといって絶対に戻らないようにしましょう。 - 監視員やライフセーバーがいる海水浴場では指示に従って避難しましょう。
地震の被害を最小限に抑えるためには、普段から地震について関心を持ち、防災の意識を高め、日頃から地震が起きた際にどう行動すべきかを身につけておくことが重要です。
2.揺れが収まったら
- 身の安全の確保
地震が発生した際、身の安全を確保するのがもっとも重要です。
それは揺れが収まった後も同様です。
慌てて行動すると転倒したり、倒れた家具や飛び散ったガラスの破片などでけがをしたりする恐れがあります。
まずは周囲を確認し、慌てずに行動しましょう。
- 避難の判断
- 正しい情報を入手しましょう。
災害が発生すると、デマ情報が飛び交いやすくなります。
噂に左右されず、テレビ・ラジオ・役場などからの情報を取得し、正しい状況把握に努めましょう。 - 役場から避難指示や勧告が出た場合は従いましょう。
- 役場から避難指示や勧告がなくても、身の危険が迫っていると判断したらすぐに避難しましょう。
- 災害発生時に、消防署や警察署へ状況の問い合わせをするのは止めましょう。
- 避難するとき
■ 家から出るとき
- 外に出る時も、周囲の安全を確認して冷静に行動しましょう。
ガラスや看板などが落ちている場合があるため、注意して行動しましょう。 - 家を出て避難するときは、電気のブレーカーを切り、ガスの元栓を閉めましょう。
- 家の安全を確認後、近所にも声を掛けて安否の確認をしましょう。
■ 火災が発生した時
- 火災報知機の警報が聞こえたら、状況を確認して、速やかに行動しましょう。
- 煙が部屋や廊下に充満した場合、ハンカチやタオルなどで鼻と口を押えて、低姿勢で避難しましょう。
■ 避難方法
- 原則徒歩で避難しましょう。
- 車を使うと渋滞を引き起こし、消防や救急活動に支障をきたす恐れがあるためです。
- 動きやすいように携帯品は背負える鞄に入れ、服装は行動しやすいものにしましょう。
- 帰宅困難者
■ 帰宅の判断
- 遠距離を無理に帰宅しようとすると、かえって二次災害を引き起こす恐れがあるため、むやみに移動しないようにしましょう。
- 家族の安否が心配な場合は無理に帰宅するよりも、公衆電話、NTTの災害伝言ダイヤル171、携帯電話の災害伝言板を利用しましょう。
- 帰宅することだけでなく、状況に応じて、自分のいる地域の救援活動に参加することも考えましょう。
■ 帰宅の方法
- 災害時に通行止めになったり、混乱が発生したりする恐れが高いルートの利用は、なるべく避けましょう。
- 災害時には情報提供などを行う帰宅困難者施設として、学校や公共施設、コンビニ、ガソリンスタンドなどが指定されるケースが増えているため、これらを利用しましょう。
- 救出と救護
■ 初期消火
- 揺れが収まってから火を消しましょう。
- 火災が発生したら以下の手順で対応しましょう。
(1) 大きな音を出して周囲に知らせる
「火事だー」と大声で叫ぶ、または非常ベルを鳴らしたり、鍋などの大きな音が出るものを叩いたりして、異常事態を知らせましょう。
(2) 火の大きさを確認する
まだ火の大きさが小さく、横に広がっているうちは消火できる可能性が高いです。
判断のポイントは、視界がきいて火元が確認できることと、炎が天井や自分の身長よりも小さいことです。
逆に、煙が充満していて視界がきかなかったりして火元が確認できなかったり、炎が天井に届いていたり、自分の身長よりも大きかったりする場合は自分でどうにかしようとせずに、早急に消防隊や消防団を呼びましょう。
(3) 身の回りの道具や水を使って消火する
消火器や水などで消火します。
そばに座布団や毛布がある場合は、それらで火をたたくなどしても消火できます。
- 消防隊が到着するまでは、近所の住民、特にこどもや高齢者、体の不自由な方など支援が必要な方が安全な場所に避難できるよう周りの人と協力して対応しましょう。
- 近所の人たちや自主防災組織の人などと協力して、バケツリレーなどで火災が広がらないように努めましょう。
■ 救出活動・救護活動
- お互いに協力し合って応急救護をしましょう。
大災害では多くの負傷者が発生するほか、道路が通行困難となり、救援活動が間に合わない場合があります。
軽いけがなどの処置はみんなで協力し合うことが大切です。 - 建物の崩壊や落下物の下敷きになっている人がいたら、意識があるか確認し、励ましましょう。
救助活動には危険が伴います。できる限り複数人で協力して行いましょう。
災害時には負傷者が多く発生し、消防や救援作業も困難なものになります。
日頃から災害に対する備えをし、被害が出たらお互いに協力し合うことで、少しでも多くの命を救うことができます。
3.地震について
ここでは地震の基本的な知識を確認しましょう。
- マグニチュード
マグニチュードとは地震そのものの大きさを表します。
実際の揺れを表すものではないので注意しましょう。
- 震度
震度とは地面の揺れの強さを表したもので、基本的には10段階で表されます。
しかし、同じ地震でも地盤や建物によって感じる揺れの大きさが異なります。
また、同じ建物でも階によって揺れの大きさが違ってきます。
(『消防庁防災マニュアル』と気象庁のサイトをもとに作成)
震度と揺れについて | |
---|---|
震度7 |
|
震度6強 |
|
震度6弱 |
|
震度5強 |
|
震度5弱 |
|
震度4 |
|
震度3 |
|
震度2 |
|
震度1 |
|
震度0 |
・上記内容は以下の情報を参考に作成しております。参照元に内容の変更がある場合、当サイトへ反映されるまで時間が掛かる場合がございます。予めご了承ください。
【出典】
・『消防庁防災マニュアルー震災対策啓発資料―』、総務省消防庁
https://www.fdma.go.jp/relocation/bousai_manual/index.html
・「『緊急地震速報』と『津波警報』いざというとき、身を守るために!」、政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201410/4.html
・「緊急地震速報を見聞きした時は」、気象庁、国土交通省
https://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nc/koudou/koudou.html