【もくじ】
- 火山の状況を確認
- 噴火警戒レベルの確認
- 降灰予報の確認
- 火山灰から身を守る
1.火山による災害
日本は世界でも有数の火山国です。
桜島や三宅島、阿蘇山、雲仙普賢岳などをはじめ、2020年6月現在で111の活火山があります。
「活火山」とは、おおむね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山のことをいいます(気象庁より)。
火山による災害は、火砕流、融雪型火山泥流、溶岩流、大きな噴石、小さな噴石、火山灰、火山ガス、津波などがあります。特に噴火に伴って発生する大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流は、避難までの時間が非常に短く、命を失う可能性があり、非常に危険です。
火山の噴火の時期や規模を予測することは非常に難しく、突然起こることがあります。御嶽山は2014年9月に水蒸気爆発が突如発生し、登山などで山を訪れていた63名が亡くなったり、行方不明になったりする事態にまで至りました。
よって、活火山に行く際は事前に噴火状況を調べるなどして状況を把握し、細心の注意を払うことが大切です。
2.火山災害のときの行動
火山による災害を最小限にするためにも、火山噴火に関する情報を確認するのが大切です。
- 火山の状況を確認
火山の状況は気象庁が発表する噴火警報・予報、火山防災マップ、火山ハザードマップなどで確認することができます。
- 気象庁噴火警報・予報(地図表示)
https://www.jma.go.jp/jp/volcano/map_0.html
気象庁が発表する噴火警報・予報を、地図上で確認することができます。
- 気象庁「火山登山者向けの情報提供ページ」
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/map_0.html
気象庁が発表する火山情報を、山別に確認することができます。
特に活火山へ登山に行く場合には、必ず最新情報を確認した上で行きましょう。
- 防災科研「火山ハザードマップデータベース」
http://vivaweb2.bosai.go.jp/v-hazard/
- 噴火警戒レベルの確認
火山の噴火警戒レベルは5段階に分かれ、それぞれの段階で地域住民や登山者などの取るべき行動が示されています。
火山の活動が活発になり、警報や特別警報が発令された場合は参考にしましょう。
気象庁ホームページより
種別 | 名称 | 対象範囲 | 警戒レベル | 火山活動の状況 | 住民らの行動 | 登山者・入山者の対応 |
---|---|---|---|---|---|---|
特別警報 | 噴火警報(居住地域) | 居住地域とそれより火口側 | レベル5 | 居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生、あるいは切迫している状態にある。 | 危険な住居地域からの避難などが必要(状況に応じて対象地域や方法などを判断)。 | |
レベル4 | 居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生すると予想される(可能性が高まってきている)。 | 警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮者の避難などが必要(状況に応じて対象地域を判断)。 | ||||
警報 | 噴火警報(火口周辺) | 火口から居住地域近くまで | レベル3 | 居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)噴火が発生、あるいは発生すると予想される。 | 通常の生活(今後の火山活動の推移に注意。入山規制)。状況に応じて要配慮者の避難準備など。 | 登山禁止・入山規制など、危険な地域への立ち入り規制など(状況に応じて規制範囲を判断)。 |
火口周辺 | レベル2 | 火口周辺に影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)噴火が発生、あるいは発生すると予想される。 | 通常の生活 | 火口周辺への立ち入り規制など(状況に応じて火口周辺の規制範囲を判断)。 | ||
予報 | 噴火予報 | 火口内など | レベル1 | 火山活動は静穏。火山活動の状態によって、火口内で火山灰の噴火などが見られる(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)。 | 特になし(状況に応じて火口内への立ち入り規制など)。 |
3.火山灰
火山が噴火すると、火山灰が発生します。
この火山灰は大きな噴石や火砕流などのように、短時間で生命に危険を及ぼす可能性は低いものの、2㎜以下の大量の粒子が風に乗って広範囲に広がることで、健康被害や農業被害、交通費害、そして停電などのライフラインへの被害を引き起こします。
- 降灰予報の確認
自分の住んでいる地域の近くにある活火山の降灰情報を確認しましょう。
- 火山灰から身を守る
火山灰はとても小さいため、呼吸とともに体内に入ってしまいます。
気管支炎や心臓に持病のある人はもちろんのこと、健康な人も火山灰を吸ってしまうと肺を傷つけるなどして体に影響を及ぼします。
火山灰を吸ってしまわないように注意しましょう。
- 外出を控える
- 部屋の窓や戸を閉める
家の中に火山灰が入らないようにしましょう。
- 車の運転はなるべく控える
火山灰が降ると見通しが悪くなり、道路に積もると滑りやすくなるため危険です。
- 傘や防塵マスクを着用する
火山灰が肺に入ると、咳が出たり、息苦しくなったりします。
どうしても外出する必要がある場合は傘やマスクを使用して、できる限り火山灰を吸わないように注意しましょう。
- コンタクトレンズを外し、メガネを使用する
コンタクトをしている状態で火山灰が目に入ると、ごろごろとした違和感を感じたり、痛みやかゆみの原因になったりします。
火山灰が目に入ったら、絶対に手でこすらずに水で流しましょう。
それでも異常が治らない場合は、眼科で見てもらいましょう。
- 皮膚を守る
火山灰が皮膚に触れると、炎症を起こすことがあります。
特に傷がある場合は痛みが増したり、ばい菌が入ったりするので注意しましょう。
・上記内容は以下の情報を参考に作成しております。参照元に内容の変更がある場合、当サイトへ反映されるまで時間が掛かる場合がございます。予めご了承ください。
【出典】
・「過去に発生した火山災害」、気象庁
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/volcano_disaster.htm
・「活火山とは」、気象庁
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/katsukazan_toha/katsukazan_toha.html
・「火山灰が降る地域に加えて量についても迅速に予報する『降灰予報』がバージョンアップ!」、政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201502/1.html#anc03
・「火山噴火では、どのような災害が起きるのか」、首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/funka.html