【もくじ】
- 熱中症を予防するための6つのポイント
- 夏のマスク着用について
1.熱中症にならないために
ここでは、熱中症を予防するためのポイントについてご紹介します。
熱中症の症状や対処法の詳細については、「(緊急) 熱中症」をご覧ください。
日常生活における熱中症予防は、脱水と体温の上昇を抑えることが基本です。そのためには、暑さを避けたり、水分をこまめに補給したりすることが大切です。
日常生活での注意点をまとめましたので、一緒に確認しましょう。
<熱中症を予防するための6つのポイント>
1)暑さを避けましょう!
「行動」「住まい」「衣服」の3つの面に分けて、暑さを避ける工夫を説明します。
行動の工夫
- 暑い日は決して無理をしない
- 日陰を選んで歩く
- 涼しい場所に避難する
- 適宜休憩する、頑張らない、無理をしない
- 天気予報を参考にし、暑い日や時間を避けて外出や行事の日時を検討する
住まいの工夫
- 風通しを利用する
- 窓から射し込む日光を遮る
- エアコンや扇風機などの空調設備を利用する
- 気化熱を利用する(夕方に打ち水をする)
- 外部からの熱を遮断する
衣服の工夫
- ゆったりとした衣服にする
- 襟元をゆるめて通気する
- 吸汗・速乾素材や軽・涼スーツ等を活用する
- 炎天下では、を吸収する黒色系の素材を避ける
- 日傘や帽子を使う(帽子は時々はずして、汗の蒸発を促しましょう)
2)こまめに水分補給をしましょう!
暑い日には、知らず知らずのうちに汗をかいています。体を動かしている・いないにかかわらず、こまめに水分補給をしましょう。
人間は軽い脱水状態の時には、のどの渇きを感じません。ですので、のどが渇く前、あるいは暑い場所へ行く前から水分補給をしておくことが大切です。
ただし、アルコールは禁物です。アルコールは尿の量を増やし、体内の水分を排泄してしまいます。
1日あたりの必要な水分量は、1.2ℓが目安とされています。発汗量に見合った量の水分補給が必要です。ですので、大量の発汗がある場合は、水だけでなく塩分も補給するようにしましょう。
入浴時や睡眠時も発汗しているので、起床時や入浴前後は水分補給が必要です。
3)急に暑くなる日に注意しましょう!
熱中症は、例年、梅雨入り前の5月頃から発生し、梅雨明けの7月下旬から8月上旬に多発する傾向があります。
熱中症になりやすいのは、「急に暑くなった日に屋外で過ごした時」「涼しい地域から暑い地域へ旅行した時」等です。
上手に発汗できるようになるには暑さへの慣れが必要です。次のような日に注意し、無理せず過ごしましょう。
4)暑さに備えた体作りをしましょう!
熱中症は体が暑さに慣れていない時に起こりやすくなります。暑い日が続くと、体が次第に暑さに慣れて、暑さに強くなっていきます。これを、暑熱順化といいます。
暑熱順化を獲得するためには、「やや暑い環境」において「ややきつい」と感じる強度で、毎日30分程度の運動(ウォーキング等)を継続することが必要です。
日頃からウォーキング等で汗をかく習慣を身につけて、夏の暑さに負けない体作りをしましょう。
5)自分の体力や体調を考慮しましょう!
熱中症の発症には、その日の体調が影響します。例えば、脱水状態や食事抜きといった万全でない体調の時は、暑い環境に行くことは絶対に避けましょう。風邪や下痢、二日酔いの時は、脱水状態の可能性があるので注意が必要です。
肥満の方、小児や高齢者、心肺機能や腎機能が低下している方、自律神経や循環機能に影響を与える薬物を飲んでいる方は、熱中症に陥りやすいので注意しましょう。
6)集団活動の場ではお互いに注意しましょう!
熱中症の予防には、個人の努力だけでなく、周りの配慮も必要です。例えば、外で作業する場合には、こまめに休憩を入れたり、作業者を交代させて一人あたりの活動時間を短くさせたりなどの工夫が必要です。
特に大切なのが、個人の体力や体調に合わせたペースを守らせ、無理をさせないことです。
<夏のマスク着用について>
マスクは、感染症拡大を防止する観点から必要なものですが、夏等の暑い時期の着用には注意が必要です。以下のポイントに注意して、熱中症を予防しましょう。
気温・湿度の高い中でのマスク着用は要注意!自分の体調に気を配りましょう!
屋外で人と十分な距離(2m以上)を確保できる場合は、マスクを外しましょう!
マスクを着用している時は、負担のかかる作業や運動を避け、周囲の人との距離を十分にとったうえで、適宜マスクを外して休憩しましょう!
2.熱中症予防に役立つもの
熱中症予防のポイントを説明してきましたが、ここからは実践編です。自分でできる熱中症予防法をまとめましたので、ぜひ実践してみましょう!
気象情報や政府からの注意喚起をチェックしましょう!
高温注意情報
翌日または当日の最高気温が、おおむね35℃以上と予想される場合に発表されます。
暑さ指数(WBGT) 環境省
暑さ指数とは、熱中症予防を目的として1954年にアメリカで提案されました。人間の熱バランスに影響の大きい「気温」「湿度」「輻射熱」を取り入れた温度の指標です。
その中でも、湿度が重要な指数になっています。湿度が高い場所では汗が蒸発しにくく、体の熱を放出する力が減少するため、熱中症になりやすくなるからです。
単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示します。ですが、その値は気温とは異なります。暑さ指数が28℃を超えると熱中症にかかる人が増えることが分かっています。
当日、翌日、翌々日の3日間の暑さ指数を調べることが可能です。英語、中国語、韓国語でも検索可能です。
- 環境省「熱中症予防情報サイト」
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php
エアコンを工夫して使いましょう!
ポイント① 設定温度
冷房使用時の室温は28℃を目安にしましょう。室温が低く(24℃以下)、外気温と室温の差が大きいと、部屋に出入りする際に体の負担になります。
帰宅して、部屋の中が外よりも熱いと感じた時は、まずは窓を開けて部屋の換気を行いましょう。
また、すだれや緑のカーテン等で、室温の上昇を抑える工夫をしましょう。
ポイント② 気流
エアコンの気流や風量を工夫したり、扇風機を一緒に使ったりすると、同じ温度でもより涼しく感じます。
ポイント③ 輻射
窓から入る太陽光をカーテン等で遮断し、エアコンを効果的に使いましょう。
《エアコンの効果的な使い方》
- 冷気が長時間、直接人に当たらないように気流の出口を工夫する。
- 風向ルーパーを上方向や水平方向に調整して、冷たい空気を上から下に循環させる。
- 少し暑いと感じたら、設定温度を下げるよりも、風量を強くする、扇風機を使う等する。
- 風が気になる時は、扇風機の風を壁や天井にあて、跳ね返った気流を利用し、風をやわらかくする。
- エアコンの機能が低下しないように、フィルターを2週間に1度は掃除する。
熱中症予防グッズを取り入れましょう!
暑さを軽減したり、熱中症予防したりできる商品がたくさんあります。万が一に備えて用意しておくことも大切です。
(例)
- 塩飴
- 冷却グッズ
- 経口補水液
・上記内容は以下の情報を参考に作成しております。参照元に内容の変更がある場合、当サイトに反映されるまで時間が掛かる場合がございます。予めご了承ください。
【出典】
・環境省「熱中症予防情報サイト」
https://www.wbgt.env.go.jp/
・環境省「熱中症環境保健マニュアル 2018」
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_3-1.pdf
・気象庁「熱中症から身を守るために」
www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/netsu.html