【もくじ】

  1. 災害発生時の行動
  • 自宅で一緒に被災した場合
  1. 避難所での過ごし方
  • 避難所でのルールとマナー
  • 感染症
  1. 普段からの備え
  • 防災対策
  • しつけと健康管理
  • ペットの所有者明示
  • 避難用品や備蓄品の確保
  • 避難訓練の参加や地域住民との連携
  1. もしもペットの具合が悪くなったら
  • 健康チェックのポイント
  • 熱中症

1.災害発生時の行動

災害への対応を大きく分けると、「自助」「共助」「公助」の3つがあります。人の災害対策で何よりも大切なのは「自助」です。自分自身で自分の身を守るということです。
ペットの場合はそうはいきません。人の救護が優先されることを考えると、ペットフードや水等の支援ですら困難なことが多いのです。飼い主はこうした場合であっても、ペットの安全と健康を守る義務があります。

災害が発生すると、いつもと違う様子にペットもパニックになります。いつもと違う行動をとることがあるため、ペットを落ち着かせるとともに、逃走やケガなどに注意が必要です。

また、災害発生時にはペットを守る役割の飼い主が無事でいなくてはなりません。それに加えて以下のような行動も必要です。

https://4.bp.blogspot.com/-Gob19MXY9gM/UQJe7kIOrcI/AAAAAAAALJU/SemkME2AjZ8/s1600/checkbox_checked.png 人とペットの安全確保
https://4.bp.blogspot.com/-Gob19MXY9gM/UQJe7kIOrcI/AAAAAAAALJU/SemkME2AjZ8/s1600/checkbox_checked.png 避難が必要な際のペットとの同行避難
https://4.bp.blogspot.com/-Gob19MXY9gM/UQJe7kIOrcI/AAAAAAAALJU/SemkME2AjZ8/s1600/checkbox_checked.png 避難所等における飼育マナーの遵守と衛生管理
https://4.bp.blogspot.com/-Gob19MXY9gM/UQJe7kIOrcI/AAAAAAAALJU/SemkME2AjZ8/s1600/checkbox_checked.png ペットの健康と安全の確保

<自宅で一緒に被災した場合>

Step1. 避難の準備と持出し品を確認する

「同行避難」災害発生時に、飼い主がペットを同行して避難場所まで避難すること。近年、ペットは家族の一員であるという意識が一般的になりつつあることから、ペットと同行避難することは、飼い主である被災者のこころのケアの観点からも重要である。

Step2. 避難する場所を決める

  1. 自宅待機
       家屋が倒壊等から免れ、安全に過ごせると判断した場合は自宅待機を選択します。
  1. 同行避難
       家屋が倒壊の恐れがある場合等、自宅に留まっていると危ないと判断した場合は、同行避難を選択します。

  (避難する際の注意点)

  • 犬の場合は、リードをしっかりつける、またはキャリーバックに入れる。
  • 猫の場合は、キャリーバックやケージに入れ、扉が開かないようガムテープで固定する。

Step3. 地域の一時集合所・広域避難場所へ移動する
同行避難を選択した場合の行動です。

  1. 避難所がペット受け入れOKの場合
       受け入れがOKでも、その受け入れ態勢や運用ルールは避難所によって様々です。避難先の指示に従いましょう。
  1. 避難所がペット受け入れNGの場合
       被害の規模や事情によっては、ペットは受け入れ不可な場合があります。

Step4. 避難所のペット受け入れがNGの場合の避難先を探す

  1. 親類・知人宅へ預ける
  2. 車・テントを活用して生活する
  3. ペットは自宅、飼い主は避難所で生活する
       自宅でペットが過ごせるレベルであれば、時々帰宅しながら飼育する手段もあります。
       ただし、火災等には十分に注意をしてください。

2.避難所での過ごし方

<避難所でのルールとマナー>

避難所や応急仮設住宅では様々な人が集まり共同生活をするため、動物との暮らしが苦手な人やアレルギーを持っている人のことを意識しなくてはなりません。たとえつらい避難生活でも、ペットがそばにいることでこころの安らぎや支えになることがあります。その一方で、咬傷事故や鳴き声への苦情、被毛や糞尿処理等、衛生面でトラブルになることもあります。
気持ちよく生活するためにも、各自治体(各避難所)で定められたルールに従い、飼い主が責任をもって世話をしましょう。

大田区「避難所における ペット対応標準マニュアル」より飼育ルールの例を一部抜粋しましたので、参考にしてみましょう。

飼育ルールの例

  • ペットの飼育場所は、人の居住場所と分けましょう。
  • ペットは決められた飼育場所で、ケージに入れるか、支柱につなぎとめるなどして飼育しましょう。
  • 決められた時間に給餌し、残った餌は必ず後始末しましょう。
  • 排泄は特定の場所でさせ、後始末は飼い主の皆さんがきちんと行いましょう。

<感染症>

ペットを飼育している飼い主は、平時からペットの健康管理に注意することが必要です。予防接種を受けさせたり、トリミングで外部寄生虫を駆除したりすることで、健康や衛生を確保する必要があります。
しかし、避難時には通常と違う環境で生活することから、ペットの免疫力低下が考えられます。また、他ペットとの接触が多くなることから、ペット同士の感染リスクについても考えなければなりません。
また、ペット同士だけでなく、ペットから人への罹患対策も必要です。
以下のことに気を付けて感染症を防ぎましょう。
https://4.bp.blogspot.com/-Gob19MXY9gM/UQJe7kIOrcI/AAAAAAAALJU/SemkME2AjZ8/s1600/checkbox_checked.png 過度な触れ合いは控えましょう!
https://4.bp.blogspot.com/-Gob19MXY9gM/UQJe7kIOrcI/AAAAAAAALJU/SemkME2AjZ8/s1600/checkbox_checked.png 糞尿は速やかに処理しましょう!
https://4.bp.blogspot.com/-Gob19MXY9gM/UQJe7kIOrcI/AAAAAAAALJU/SemkME2AjZ8/s1600/checkbox_checked.png 動物に触ったら手洗い等をしましょう!

3.普段からの備え

<防災対策>

災害時に大切なのは、まずは飼い主が無事でいることです。ペットの身の安全はその上に成り立っています。そのためにも、飼い主とペットの身の安全を確保できる家づくりが必要です。
例えば、ペットの飼育ケージを置く際は、固定した家具のそばや、重量のある物が落ちてこない場所に設置しましょう。
屋外で飼育している場合は、飼育場所の周囲にブロック塀やガラス窓、倒れやすい建物等がないか確認し、土砂崩れの危険性も考慮しましょう。

<しつけと健康管理>
災害時にペットがパニックを起こした場合でも、普段からしつけをしていれば、速やかに避難する助けになります。
また、普段とは違う環境下ではペットも体調を崩します。それに加えて、他の動物と接触が多くなることから感染リスクも高くなります。普段からペットの健康管理に注意をし、予防接種や外部寄生虫の駆除などをすることで、健康と衛生を確保しましょう。

災害に備えたしつけと健康管理の例
(環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」より)

<ペットの所有者明示>
ペットが逃げ出さないように日頃から十分な対策を講じておくことが前提ですが、災害時にはペットと離れ離れになる可能性もあり得ます。その場合に備えて、ペットが保護された際に飼い主のもとへ戻れるように、所有者明示をしてく必要があります。

<避難用品や備蓄品の確保>
自宅で避難する場合も、避難場所に行く場合も、ペットに必要なものは飼い主が用意しておく必要があります。
避難所などにペット用の救援物資が届くまでには時間がかかります。最低でも5日分(できれば7日以上)は用意しておくようにしましょう。
また、救援物資は普段与えているペットフードと同じものが手に入るとは限りません。その場合に備えて、ペットが好き嫌いをせずに救援物資を利用できるように、日頃から備えておくことも大切です。

ペット用の備蓄品と、持ち出す際の優先順位の例
(環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」より)

<避難訓練の参加や地域住民との連携>

災害発生時に備えて、避難所の所在地、避難ルート等をあらかじめ確認しておく必要があります。それに加えて、避難所のペット受け入れ可否、ペットを連れていく際の注意事項なども確認しましょう。
自治体によっては、ペットを連れて避難する場合を想定した避難訓練を実施しているところがあります。

すみやかに避難したり、少しでも快適に避難生活を送ったりするためには、地域住民との連携も大切です。町内会や集合住宅等の会合の場で、避難する場合のルールや避難方法などを日頃から話し合っておきましょう。

4.もしもペットの具合が悪くなったら

慣れない環境で生活することはペットにとってもストレスです。人間同様、ストレスが溜まると体調も悪くなります。そうした体調の変化に気づいてあげるのは飼い主の責任です。いつも以上に健康状態に注意してあげましょう。特に猫は具合が悪いことを隠そうとするため、よく観察しましょう。

<健康チェックのポイント>
(環境省「ペットの健康管理と応急処置」より)

<熱中症>
動物も熱中症になる可能性があります。特に、真夏や車中避難している場合は注意が必要です。
症状としては、体が異常に熱い、息が荒い、舌が異常に赤い、意識がない、意識はあるが倒れたまま動かない、等がみられます。これらの症状がみられたら命に関わる可能性があります。
応急処置としては、速やかに涼しい場所に移動し、体に水をかけ以下の部位を重点的に冷やしてください。

体温が下がっても脳や内臓に障害が起きることがあるので、速やかに病院に運びましょう。

・上記内容は以下の情報を参考に作成しております。参照元に内容の変更がある場合、当サイトへ反映されるまで時間が掛かる場合がございます。予めご了承ください。

【出典】

・環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002/0-full.pdf

・環境省「備えよう!いつもいっしょにいたいから ペット動物の災害対策」
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2309a/full.pdf

・環境省「ペットの健康管理と応急処置」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2909a/pdf/06.pdf

・大田区「避難所におけるペット対応標準マニュアル」
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/chiiki/bousai/hinanjyo/pet.files/manyuaru.pdf