【もくじ】

  1. 福祉避難所とは
  2. 元気に過ごすための心がけ
  • 高齢者の方へ
  • 慢性疾患を持っている方へ

1.福祉避難所とは

福祉避難所とは、災害発生時に要配慮者の受け入れが可能な避難所のことです。要配慮者とは、「高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者」とされています。
対象者となる人は、まずは一般の避難所に避難し、そこでの生活が困難と判断された場合に、福祉避難所へ移ります。福祉避難所は、より専門的な支援や援護の必要性の高い避難者のためのものです。一般の避難所で生活可能な人は対象ではないので、注意しましょう。

福祉避難所として指定される施設には、「バリアフリー」「支援者をより確保しやすい施設」等が重視されます。主な施設として、以下のようなところが利用されます。

主な施設

  • 一般の避難所となっている施設(小・中学校、公民館等)
  • 老人福祉施設(デイサービスセンター、小規模多機能施設、老人福祉センター等)
  • 障害者支援施設
  • 児童福祉施設(保育所等)

また、福祉避難所となる施設には安全性等を重視した条件が設けられています。

福祉避難所となる施設の主な条件

  • 耐震性が確保されている
  • 原則として、土砂災害特別警戒区域外である
  • 原則として、バリアフリー化されている
  • 要配慮者の特性を踏まえ、避難生活に必要な空間を確保している

福祉避難所では以下のような物資・器材が用意されています。

福祉避難所の情報については、各自治体のホームページ等で掲載されています。中には発信されていない自治体もありますので、ご了承ください。
避難する必要がある場合は、要配慮者に該当する人も、まずは一般の避難所へ避難してください。

2.元気に過ごすための心がけ

普段とは違う避難所での生活は、肉体的にも精神的にも辛いものです。生活の工夫をすることで、少しでも元気を取り戻しましょう。
(国際災害栄養研究室「避難生活を少しでも元気に過ごすために」をもとに作成しました。)

<高齢者の方へ>

https://4.bp.blogspot.com/-Gob19MXY9gM/UQJe7kIOrcI/AAAAAAAALJU/SemkME2AjZ8/s1600/checkbox_checked.png 水分をしっかりとりましょう!

私たちが1日でとる水分は、飲料水から約半分、残りの半分を食品から賄っているそうです。
ですが、災害などの満足に食事もとれない状況になると、自覚している以上に水分摂取量が減少します。
それに加えて、特に高齢者の方は口の渇きを感じにくいことから、さらに水分摂取量の減少が心配です。
水分が不足すると、以下のような症状の発生が懸念されます。

  • 脱水症
  • 疲労感
  • 便秘
  • 低体温
  • 心血管系疾患
  • エコノミークラス症候群

https://4.bp.blogspot.com/-Gob19MXY9gM/UQJe7kIOrcI/AAAAAAAALJU/SemkME2AjZ8/s1600/checkbox_checked.png しっかり食べましょう!

慣れない環境での生活は食欲が低下しがちです。また、避難食などは、高齢者や慢性疾患を持っている方が食べにくさを感じやすいものです。ですが、元気に過ごすには食事から栄養をとることが大切です。

 【食べるときの工夫】

  • おにぎりや冷たいご飯は、ポットの中で温める、おじやにして食べる。
  • 乾パンなどのパサついた食べ物は、牛乳などで浸して食べる。
  • 弁当などは一度ばらし、水分を加えて再調理する。柔らかくし、水分量を増やす。
  • たくさん食べられない時は、魚や豆類の缶詰などのたんぱく質食品を食べる。

https://4.bp.blogspot.com/-Gob19MXY9gM/UQJe7kIOrcI/AAAAAAAALJU/SemkME2AjZ8/s1600/checkbox_checked.png 体を動かしましょう!

避難所では生活スペースが限られて、座りきりや寝たきりの状態が多くなりがちです。
その状態が長く続くと、血行不良などが起こり、血液が固まりやすくなります。そのため、脳卒中や心臓発作が起こりやすくなってしまいます。
また、高齢者の方は体力や筋肉量の低下等による、自立度の低下も心配です。できる範囲で体を動かし、気分転換をすると共に、体力維持に努めましょう。

<慢性疾患を持っている方へ>

◆ 高血圧の方
避難所の生活では、寒さ、睡眠不足やストレス等から、血圧が高くなりやすいです。
自分の体調にしっかり耳を傾けて、以下のことに気を付けてみましょう。

  • 水分をしっかりとる。
  • 体を動かす。(激しい運動ではなく、軽い体操や室内や外を少し歩く)
  • 下半身を温める。
  • できる限り野菜や果物を食べる。

◆ 血糖値が高めの方
食材が限られる中では、なかなか血糖値のコントロールが難しいものです。
血糖値の急激な上昇や低血糖を防ぐために、以下のことに気を付けてみましょう。

  • 避難所で配られる食品の中には、ショ糖の多い食品も多く含まれています。(菓子パン、ソフトドリンク等)そのことに考慮し、できるだけ糖分の少ないものを口にしましょう。
  • 食事は一度にたくさん食べずに、少しずつ回数を分けて食べましょう。
  • よく噛んで時間をかけて食べましょう。
  • 薬を使っている人は、低血糖にならないよう気を付けましょう。
  • ごはん、パンなどの炭水化物の多い食品を食べる場合は、野菜類、こんにゃく、海藻、きのこ等やたんぱく質を含む食品(肉、魚、卵、乳製品)を先に食べましょう。

・上記内容は以下の情報を参考に作成しております。参照元に内容の変更がある場合、当サイトへ反映されるまで時間が掛かる場合がございます。予めご了承ください。

【出典】

・国際災害栄養研究室「避難生活を少しでも元気に過ごすために(高齢者・慢性疾患編)」
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/disasternutrition/info_saigai.html

・内閣府(防災担当)「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」
www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/1604hinanjo_hukushi_guideline.pdf

・コトバンク「福祉避難所」
https://kotobank.jp/word/福祉避難所-891730