【もくじ】

  1. 在宅避難について
  2. 避難先での主な注意点
  3. エコノミー症候群
  • エコノミー症候群とは
  • エコノミー症候群の予防
  1. こころのケア
  2. 参考サイト:OLIVE

1.在宅避難について

避難先としては、地域の避難所が思い浮かびますが、自宅での居住が可能な場合は、在宅避難も選択肢の一つになります。いざという時に備えて、普段から自宅を耐震化し、以下のものを準備しておきましょう。

  • 水と食料 
    普段から、非常用の飲み水と食料を備えておきましょう。

また、実際に断水した場合は、近所の「給水拠点」を確認するのも忘れないでください。ペットボトルなどを多めに保管しておくと、いざという時に水を保管するのに使用できます。

大雨や台風の前にはお風呂にお水をためておくことも重要です。断水した際に、トイレの水としても使用できます。

  • ガスの代替
    ガスが使えなくなった場合に備えて、カセットコンロを準備しておくと良いでしょう。カセットコンロであれば、停電が起きても使うことができます。ガスボンベや電池も余分に準備しておきましょう。
  • 電気など
    停電に備えて、懐中電灯、乾電池、ヘッドランプなどを準備しておきましょう。
  • トイレについて
    災害の影響で下水道が使えなくなることがあります。例えば、大雨の後にトイレから水が溢れるようであれば、しばらくは携帯用(非常用)トイレや行政が準備したトイレを利用するようにしましょう。

2.避難先での主な注意点

災害や周囲の状況により、避難所や親戚宅、知人宅、自動車などに避難する必要が出てくる可能性があります。避難先での生活は、慣れないことが多く、ストレスや不安を感じやすいでしょう。いつもと違う環境での生活で、特に体調を崩さないよう、以下の点に注意しましょう。

  1. 水分・塩分補給をこまめにしましょう
    避難生活では、トイレを気にして水を飲む量が少なくなりがちです。水分が不足すると、エコノミー症候群や熱中症を引き起こしやすくなります。意識して、こまめに水分・塩分補給をしましょう。
  1. 手を清潔に保ちましょう
    避難所に入るとき、食事の前後など、こまめに手を洗って清潔に保ちましょう。手を清潔にすることは、感染症を予防するためにも重要です。手を洗う水がない場合は、アルコールジェルで消毒するなどしましょう。
  1. 食中毒には注意しましょう
    出された食事はすぐに食べましょう。時間が経ってから食べると、お腹を壊す可能性があります。また、発熱や下痢などの症状や手指に傷がある人は、調理しないようにしましょう。
  1. 運動して積極的に体を動かしましょう
    エコノミー症候群や寝たきりの予防のために、適度に運動しましょう。また、避難生活は不安と隣り合わせで、ストレスがたまりやすいです。定期的に体を動かすことで、気分転換をしましょう。
  1. うがい・歯磨きをして口内の衛生を保ちましょう
    うがい、歯磨きをこまめに行い、口内を清潔に保ちましょう。うがいと歯磨きは、風邪予防にもなります。入れ歯を使用している場合も、こまめに洗浄しましょう。
  1. 充分な睡眠・休息を取りましょう
    避難所では不安やストレスを感じやすく、なかなか寝付けずに睡眠不足になりがちです。意識して、休息や睡眠を取るようにしましょう。また、暗くないと眠れない人は、避難グッズにアイマスクを入れるなどして準備をしておきましょう。
  1. マスクを着用しましょう
    感染症予防のためにもマスクをしましょう。ただし、暑い時期は、長時間マスクをしていると熱中症にかかりやすくなるため、人がいないところでは外すなどしましょう。
  1. で困ったときは相談しましょう
    薬が手元にないなど、何か困ったことがあれば、医師、薬剤師、保健師などに相談しましょう。
  1. 防犯対策はしっかりしましょう
    避難所はいろんな人が出入りするため、常に安全とは限りません。あやしい人を見かけたら、避難所の担当者や警察に相談しましょう。
  1. 配慮・協力し合いましょう
    避難所では、サポートが必要な高齢者、体の不自由な方、妊婦さんや出産後間もないお母さま、日本語が難しい外国人の方などもいらっしゃいます。お互いに配慮・協力し合いながら過ごしましょう。
  • 熱中症について

熱中症の予防については、「3-2-3. 平時からの備え:熱中症」をご覧ください。

熱中症かどうかの判断や応急処置は「1‐2. 緊急:熱中症」をご覧ください。

3.エコノミークラス症候群

① エコノミー症候群とは
狭い場所に長時間座り、足を動かさずにいると、血行が悪くなります。血行が悪くなると、血栓といわれる血の固まりができやすくなり、痛みや腫れを引き起こすことがあります。また、その血栓が血管を流れて肺に詰まると、胸が痛くなり、肺塞栓などを誘発することもあります。このようなメカニズムで、エコノミー症候群は起こります。

エコノミー症候群は、避難生活でよく見られます。

  • 足に痛みを感じる
  • 足が赤くなったり、むくんだりしている
  • 胸に痛みを感じる
  • 呼吸が苦しい

このような症状が出たら、早めに避難所の担当者や医師に相談しましょう。

② エコノミー症候群の予防
予防のためには、以下の方法が効果的です。

  • 軽い体操やストレッチ運動を行う
  • 意識して、こまめに水分を取る
  • 食事を十分に取る
  • アルコールを控える。できれば禁煙する
  • ゆったりとした服装を着て、ベルトはきつく締めない
  • かかとの上げ下ろし運動をしたり、ふくらはぎを軽くもんでマッサージをしたりする
  • 眠るときは、足をあげる

(厚生労働省の『エコノミー症候群予防のために』のイラストをもとに再編集)

エコノミー症候群は、特に車中泊で避難している人に注意が必要です。晴れているときは外に出て、軽く運動やストレッチをするようにしましょう。車内にいる間も、こまめに足をマッサージしましょう。

4.こころのケア

避難所での生活は、体の健康だけでなく、こころの健康も重要です。災害に遭うと、ショックが大きいだけでなく、普段の生活に戻れるかという不安が付きまといます。ストレスをため込まないためにも、意識して、お互いにこころのケアをしましょう。

  1. 人と話をする
    避難先では、顔見知りやご近所さんなど、話し相手を見つけて会話をするのも大事です。心配事などがあったら、1人で抱え込まずに相談してみましょう。
  1. 体を動かす
    体を動かしたりすることも、こころのケアに繋がります。時間を見つけてストレッチをしたり、軽い運動をしたりしてこころと体をリフレッシュしましょう。
  1. 体を休める
    体が疲れていると、精神的にも不安定になりやすくなります。眠れなくても、横になって少しでも疲れを取りましょう。
  1. 不安になったり疲れたりするようであれば、深刻な映像を見るのはやめる
    災害が起きると、テレビでは深刻な映像が流れます。被災し、その後に何度も災害の映像を見ていると、不安感が強くなったり、疲れを感じたりすることがあります。特にこどもが映像を見て不安を感じているようであれば、大人が配慮するようにしましょう。

また、まわりの人が不安を感じていると思ったら、声を掛けてみましょう。こどもが不安を感じているようなら、側に寄り添い、抱っこしたり体をさすったりして、スキンシップを増やしましょう。

5.参考サイト

避難生活では、物が不足していたりして、不便なことが多いと思います。『OLIVE』というサイトは、被災地で身近なものを利用して手軽にできるデザインをまとめたWikiサイトです。英語、中国語、韓国語でも利用可能です。

OLIVEhttps://sites.google.com/site/olivesoce/

・上記内容は以下の情報を参考に作成しております。参照元に内容の変更がある場合、当サイトへ反映されるまで時間が掛かる場合がございます。予めご了承ください。

【出典】

・「被災地での健康を守るために」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/hoken-sidou/disaster.html

・「エコノミークラス症候群の予防のために」、厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html

・『生活支援ニュース』、2011年4月5日発行、厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017y57-img/2r98520000017y7w.pdf

・『避難生活(55-67ページ)』、東京都防災
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/book/pdf/jp/20p7o405.pdf